一級建築士事務所studioPEAK1　（　山梨県北杜市の設計事務所　）

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今までの仕事より

１．デザインの理由

―――曲面壁のある家

全てのデザインには理由があります。　
良いデザインは、ずっと見ていたい、いつも身につけていたい、と人の心に訴えかけてきます。　建築のデザインは、美しさと同時に、機能性、利便性といった付加価値を生むものでもあります。

この家の外壁は、曲面の壁が２段積み上がった形をしています。　自由に形を造れるコンクリートとは異なり、木造住宅で曲面の壁を造るには、下地から上張り、仕上げに至るまで、全てを曲面にしなければならないため、高度な施工能力が要求されます。　

この住宅の場合、建設地が密集住宅地にあり、北隣の家もせまってきています。　隣にいつも影を落とす訳にはいきません。　極力影を落とさないよう、お施主さまと相談しながら何パターンかのプランを考えた結果、一部を平屋建てにし、太陽の動きと同じように弧を描く外壁ラインを一部に取り入れる案に至りました。　２階が奥まっているのも、高い壁による長い影が出来ることを避けた結果のデザインです。　隣家との良き近所付き合いを求めての曲面造形でしたが、それにより、曲面壁のある廊下や階段が生まれ、非常に美しい光と影のグラデーションを室内に落としてくれる家となりました。

このように建築のデザインには、その形状に至った理由が存在します。　機能的に優れている物は視覚的にも美しく、意味のある形になるのではないかと思っています。　